おとしあな

novel By pega

落ちていく

落ちていく

どこまでも

おちていく

 

 

 

 

 

 

 

フリーター

その日暮らし

 

おんな。

 

21歳。

 

それだけ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

きゃぴきゃぴする雰囲気が嫌いでもなく

おとなしいとは言われるが

ただ気が乗らないだけだった

 

「ふっこーご飯いこー」

と誘われれば

付いていく。

 

どうでもよかった

 

そんなある日

休みが続いた福田みよ

は、3日間風呂に入っていなかった

ただ、堕落したわけでもなく

共用シャワーの調子が悪く

特別出かける予定もなかったので、というわけだった。

 

ただ、部屋にいるのも飽きた。

 

それが

どこまでも

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

わたしをおとしていく

もう何周しただろうか

わたしはわたしを否定した

なんて汚らしい女だと

自分で自分を攻撃した

 

だが、ひとたび

外の空気を吸えば

だれか人と会えば

こんな気持ち晴れてしまう

 

そんな単純さが嫌で

無理やり自分をつくって

人間を別のものにしてしまおうと

みよは、泣けなかった。

 

 

布団にくるまって

小さく身体を折りたたんで

自らの体臭を嗅ぎ

そうまで臭くないと思うと

毎日必死に美しさを求める

女というものを

 

その蓋と底が知れてしまう

 

美しく

はかない。

 

凛として

ザラザラとしている

 

光と

グレー

を併せ持つ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふっこーご飯いこー」

みよは、またのそのそと

這い上がってきた


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