光がいく

novel By pega

暗い壁

暗い壁

 

ビルに囲まれて

臭くて

でもにおいなんて気にならなくて

 

くらいくらい

 

ここにだれかいて

だれかがなにをしているかなど

 

べつにどうでもいい

当の本人が一番どうでもいいんだから

 

走り出す

 

人ごみをかき分けて

 

一番初めにぶつかった人は怒ってたけど

もうどうでもいい

 

それでも走る

口がかわく

 

喉がかわく

 

それでも走る

 

もうとまらなきゃ

身体がそう言っている

 

でも

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

止まる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕を照らしてくれた

月が一番あたたかくぼくを迎えて入れてくれたひかりだ

 

行く

行く

行く

 

 

 

 

月へ走る

 

 

 

 

ただがむしゃらに走っていく

闇を切り裂いていく

 

 

 

 

「これでいいんだよ」


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