ていねいな感覚

novel By pega

「昔は、神社やお寺に連れて行かれるのが、どうしても嫌だったんです。だって、子どもが遊べる場所でもないでしょう?けど…」

 

 

 

歳を重ねると

しに近づく

 

淡くぴんとはった風船が

 

しぼんでいく

 

 

 

 

 

 

 

出来た余裕に

なにかが入り込むのです

 

 

 

 

机の上に

雑に並べられた

鉛筆、消しゴム、のーと

 

 

やらなければいけないことを

差し置いて

やれやれと片付けを始めると

 

 

 

じぶんを整理している気になった

 

 

 

 

 

 

 

 

夜風が身体のまわりをすっと触れていき

ここではないと

窓から出ていく

 

 

なにかを感じれるようになったとき

 

 

 

ていねい

感じた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ひとつひとつの動作、所作が、

甘く感じられる。

 

 

子どもの笑い声が

前よりも染み入る

 

無理に可愛いと思い込んでいた子犬の

無垢さばかり目にとまる

 

 

 

 

「きっと、こういうことなんですかね。」

 

 

 

 

 

鏡の前の自分に

シワが増えて、その数仕方のない笑いに「ふっ」と、あたしも歳をとったな

なんて、一人遊びをし

 

 

今日も

朝日を浴びるが

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それが妙に心地よかったのです。


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