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線路は曲がっていきました1

今日中にやむハズだった雨はまだ降り続いています。

恨むべきは朝方画面に見たお兄さんではなく、実の兄でした。

そもそも私はこんな日に出かけるのは嫌いで、布団と体温を同調させることに一日専念したいのです。

もはや過言ではない”アクマ”という言い回し。まだ寝ぼけている最中、兄から連絡が来たことに気づきました。

「新宿にこい」

陽も背伸びする頃に私も身体を伸ばしました。起きる決意は、連絡を確認する決意より容易でした。もう2.3、追加されたアクマからの指示、とにかく新宿に行くしかありませんでした。

寝巻きから着替えても寝巻き。腰からストンと落ちたシルエットに、ただ胸を隠すだけの灰色のパーカー。新宿に行くのは4度目。覚えているのは、新宿が好きだから。上京して半年が経ちますが、まだこちらには慣れません。

意を決して埼京線の混雑を流し、新宿に着くと、まるで待っていたかのように兄と出くわしました。

「おせーよ。ほら凛、楽しいことするぞ。」

そうしてまた電車に揺られることとなり、私はアクマである兄の隣で、ぼーっと遅れてやってくる線路を眺めていました。

線路はまっすぐでした。

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