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線路は曲がっていきました3

線路はまっすぐと力強い

抜かすまいとする野菜のようです。

もしかしたら線路の下にはお顔が埋まってあって線路はちょんまげのようではないのか

くすくす笑うと母が頭を撫でてくれました。

 

セミが容赦なく泣き噦る夏休みの一日。

私のミーンは、誰にも届かず、母が額の汗を白いハンカチで拭ってくれました。

 

母はよく顔の整った人で、白い肌が綺麗でした。けれど麦わら帽子が似合うわんぱくそうな一面も秘めていて、今日も帽子を私に被せた後、くしゃっと笑ってくれました。私は母の笑った顔が大好きでした。

 

コンクリートをのしのしと歩くと右手に海が見えました。キラキラとしていて、あおくて、おっきくて。私は海も大好きでした。

 

しばらく歩いて、セミとの抗争に疲れてきたころ、まるで門のように木が生い茂っている場所に着きました。

 

急に辺りは冷たくなり、私は不安そうに母を見ました。

 

すると、くしゃっと笑って、今までと同じように歩いていきました。

 

私も慌てて駆け出し、ぴたっと隣を陣取り、恐る恐る、二人三脚のように、母に、付いていきました。

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