鋭利

昨晩までの冷え込むような寒さが嘘のように、今日はコートを抱え込む人が多い

 

 

 

さなえは、都内某大学に通う3年生だが、現実に思考が追いつかず、飛躍的なことばかり考え、その様はまだ高校生であった

 

 

 

 

たけるは、都内某高校に通う2年生で、将来の展望を意識し、早々と受験勉強を始めるが、それは、明るい光の中に飛び込み、なかなか抜け出せない不安を募らせていた

 

 

 

 

そんな二人が偶然出会ったのは、某飲食店で、アルバイトの面接に、たけるが来たからだ

 

 

 

 

たけるの幼いながらしっかりとした眉、幼いながらしっかりとしていたいオーラは、ホールでチラチラと観察するさなえにとって、自分とは対極の雰囲気だと察した直後、そうではない気持ちに攫われていた

 

 

 

 

たけるのどこかやりきれない性格と、さなえの自由奔放な性格は、合っていたのか今じゃ知る由もないが、二人で海を眺めてるのならば、そうなのだろう

 

 

 

たけるは、辛さ、苦さ、耐えることしか知らなかった

さなえは、甘さ、旨さ、求めることしかしなかった

 

 

二人は、二人で、一つだと感じた

 

 

 

それは、より、さなえが強く感じていて、たけるがいない恐怖、バランスの崩れた自らへの批判は、耐えられないと遺書にしたためてあった

 

たけるは、欠けていた
また海を眺めている
その欠けて鋭利になった
ものは
いつかきっと

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