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邪悪なレンガ

赤黒くしなった蔓

抜けると海岸があった

思い出せなくもないが、思い出したくもない

どうやら今私はどこにいるのやら

 

 

季節は蝉が鳴く頃

新聞配達をしていた男は、汗にまみれていた

漕げども漕げども

上り坂は進まず

帰れば冷たい畳が寂しげであった

 

そんな男

夢がある

何を隠そう冒険が好き

今の職は、道が好きっという、つまり知らぬを探求すればするほど、学べるとして、男はそれが道であったのだ。

 

 

「おめでとうございます!」

そんな気は無かった

なぜ二等を引かなかったのか悔しがる男を横目に、お姉さんはカランカランっと鳴らした

「1等は、1泊2日の旅行券です!」

悪くない

悪くない

が、自転車が欲しかった…

 

 

少ない有給を使い旅行に出た

もったいなかったからで、特別興味は無かった

それにしても暑い

ここはどこだ

そう思うと、ふと、昼食に出たサービスのお弁当、味が変であったことを思い出し

気絶した

 

 

 

 

冷えた夜

目がさめると、身体も起きたかのように、ブルブル震えがきた

ここはどこだ

 

 

 

 

赤黒い蔓の先に

レンガがあった

一つ

二つ

その先に、家がある

不思議だった。もちろん、誰も住んでいないだろうが、この島に、レンガ。

それは、男の脳内を、犯した

色々すべき思考をぶち抜いて

このレンガで出来た建物はいったい…

 

 

中へ入ると、洋風な装いで腐っていた

苦い匂い

かすれた空気

 

 

男は思った

もし、このレンガで出来た家に、何か意味のあるのなら、知りたい。
なぜここにここでなにが。

 

 

レンガは、まるで、邪悪

怖い恐怖より、吸い込まれるような恐怖

途端右側に絵が

それは、綺麗な女の顔に紫色の赤がドロドロと塗りたくられていた

思わず「わっ!?」っと、声をあげると後ろから「ねぇ」

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