東京の星

novel By pegasasudon

2015年11月の生暖かい風を感じる深夜2時頃

コンビニに向かう途中明るい月を見た

満月というほどでもなく、とても大きく意思表示をしているようには見えない

その月のポテンシャルを感じたと同時に

 

東京の星を見た

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人がなだれ込む電車の中

関係のない顔で座っている

生きていて死ぬ間に働いている仕事先では

楽しくやれている

 

押し合う電車の中の隙に入り込む

本を読むフリをして、活字が脳内の想像を高める

それはまるで夢をみているかのように自動で

手動ではない

 

21時

500円というキリの良い数字を好きながら

490円に目がくらむ

途端、視線を合わせ牛丼をいただく

 

牛丼を食べたあとコンビニに行く理由は人それぞれだが

今日は変な日だった

 

腹を満たしているのか

また別の何かを満たしたいのか

人が自分で生きるときは家を例に土台の大切さを語られるが

人が自分を演じるときは家を例に見た目の大切さなんてものは誰も語らない

そもそも誰も自分以外というものを語らないのだから、そのようなものを考える必要があるのかないのか

それよりも土台の話を聞かされるのか

また、演技力を買われるのか

なにがどうなってなにをどうして満たしたいのか分からないので、変であった。

 

自らに曇りを感じるから晴れが恋しい話は関係ない

けれど

透いた東京の星を見た。


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