皐月

novel By pega

皐月まるで音が走る

じゃりじゃりとした空気に

辛辣な面影

 

劣等感が憂い哀愁が酒

靴底がへっていく

 

またか

 

並々ならぬ波

そこにちょっと居て

そこにちょっと居て

 

もうこんな時間

 

道にある皐月

さっきまでひとり

だからだ

 

だからこれは皐月

酒で夏が遅い

 

あるいている

あるいている

あるいている

 

なにかが肌に触れた

悪くなかった

そのままでいた

 

薄い

 

繊細

 

面影

 

遠い

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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