皐月まるで音が走る じゃりじゃりとした空気に 辛辣な面影 劣等感が憂い哀愁が酒 靴底がへっていく またか 並々ならぬ波 そこにちょっと居て そこにちょっと居て もうこんな時間 道にある皐月 さっきまでひとり だからだ だからこれは皐月 酒で夏が遅い あるいている あるいている あるいている なにかが肌に触れた 悪くなかった そのままでいた 薄い 繊細 面影 遠い