ねぇ見て
みて
みて
晴れた日に似合う自転車と飲み物
少し登った後とてつもなく下り道
左右を確認する
ブレーキが悲鳴をあげる。
「最近のファストファッションについて物申したいの。」
「だって、安ければ売れるなんて、誰が得をするの?」
「だから私はとっておきの一枚を着るの」
「あなたに可愛いって言われなくてもね」
「地産地消なんて馬鹿げた話さ」
「だって世間はグローバルなんて叫んでる」
「その先の未来を見据えてる」
「だからこのじゃがいもだって、本当は食べて欲しい人に渡したいんだよ」
「ガン治療って結局なんだろうね」
「生きるってなんなのか」
「そうなってみないとさ、分からないんだよ。」
「けど、気づいたときには」
きちんと畳まれたシャツ
子どもの遊ぶ声
汗ばむ肌
隣人の音に敏感で、一刻も早くここから出たいと5年も考えている
5年だぞ
「ほら、いってらっしゃい」