残暑、おはなししよう

novel By pega

生まれ変わっていまから

かぜもかおりもないとき

一日中晴れたきせつとは

今から終わることですか

 

フレームにおさまらない

おさめようとしてないし

悲しくなんてないけどね

ただ、ただ、すずしいな

 

濃い青と薄い緑が交錯し

混ざって、打ち上がる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一人で泣いていたら、話しかけてくれた。知ってる人だった。けど忘れたかった。触られたくない。足も痛い。意地を張ってるなんて分かってる。けど譲れない。それだけの覚悟だから。

 

砂埃が舞って終わった。このために、この一瞬のために、努力してきた日々が終わった。この涙は悔し涙じゃない。忘れていい。忘れていい許可を与えられた期間が終わった。俺はそれを知っていた。

 

セミの鳴き声がこんなに響くものかと毎回感心しているが、それしか感じるものがない。毎年この季節だけこの場所にきて、あのことを思い出して、惰性を味わう。信じられない。また絶対会える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なつ。


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