まるいこむぎはいいました
なんのためにうまれて
なんのためによろこぶのだろう
うまれ
しね
このなかで
いちばんいいやつを
えらびなよ
わかったなんて
ことばもわからないから
むごんで
えらぶ
そしたらその
かいだんを
くだっていきなよ
わかったなんて
いえないから
くだる
いま
ぼくは
どうして
こうして
なみだがでるんだ
なみだがでるんだ
ひとが
しんで
しんで
しんで
むしが
しんで
しんで
しんで
いのちが
つきて
なんで
うまれて
しんで
なみだが
とまらないんだ
その
なみだは
なんの
か
なんて
わからない
かなしくも
ないし
うれしくもない
けど
さいぼうから
わきでるような
そんな
なみだ
感謝
というかんじょうが
うそのように
はきだされるけど
じぶんでも
それがうそかどうかなんて
わからないんだ
あふれだすんだ
きらきらとした
なにかに
のってきた
さらさらのまるいたねが
あめにたえ
かぜにたえ
おおきな
きになる
そんな
いのちに
なみだがでるのだと
わかったんだ
あぁ
わたしはね
ねぇきいてよ
わたしはね
あのとりさんのように
あのねこさんのように
あのはなさんのように
あのそらさんのように
そんなにんげんに
なりたいんだ
だからさ
おおきく
いきをすって
きょうは
おやすみなさい。