6月twenty-eighth

novel By pegasasudon

まるいこむぎはいいました
なんのためにうまれて
なんのためによろこぶのだろう

うまれ
しね

このなかで
いちばんいいやつを
えらびなよ

わかったなんて
ことばもわからないから
むごんで
えらぶ

そしたらその
かいだんを
くだっていきなよ

わかったなんて
いえないから
くだる

いま
ぼくは
どうして
こうして

なみだがでるんだ
なみだがでるんだ

ひとが
しんで
しんで
しんで

むしが
しんで
しんで
しんで

いのちが
つきて

なんで
うまれて
しんで

なみだが
とまらないんだ

その
なみだは
なんの

なんて
わからない

かなしくも
ないし
うれしくもない
けど

さいぼうから
わきでるような
そんな
なみだ

感謝
というかんじょうが
うそのように
はきだされるけど

じぶんでも
それがうそかどうかなんて
わからないんだ

あふれだすんだ

きらきらとした
なにかに
のってきた

さらさらのまるいたねが

あめにたえ
かぜにたえ

おおきな
きになる

そんな
いのちに
なみだがでるのだと
わかったんだ

あぁ
わたしはね
ねぇきいてよ
わたしはね

あのとりさんのように
あのねこさんのように
あのはなさんのように
あのそらさんのように

そんなにんげんに
なりたいんだ

だからさ
おおきく
いきをすって
きょうは
おやすみなさい。


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