俺は喫茶喫茶太郎
喫茶店に愛された男
今日は突然の嵐
帽子を押さえながら進むと、茶色い木が目立つ喫茶店があった
小汚い喫茶店には当たりハズレがある
しかしそんなこと
この嵐の前では言えない
もう珈琲を飲んだような苦い顔で、扉のベルを心地よく鳴らした
この店は当たりだ
それは綺麗にホッチキス留めされた新聞を見れば分かる
細かなこだわりを実行できる店が、珈琲にこだわらないはずがない
店員から善意で渡されたタオルを綺麗に畳み、タバコに火をつけた
さすがに客のいない辺りを見渡しながら、香ばしい香りを身体に充填すること15分
分厚いタマゴサンドと珈琲が運ばれてきた
うまい
俺は喫茶喫茶太郎
喫茶店に愛された男
タマゴサンドと珈琲に感謝しながら
また来よう
と、嵐の中、足早に帰路へついた