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線路は曲がっていきました2

雨がしたたかに降る中

私は気が気じゃありませんでした。

アクマの楽しいは、楽しくないからです。

 

「おー海だ」

 

どうでもいい。

晴れた日に浮かぶ海の鮮やかさが良いのであって、このような日は粒が波を殺してしまう。ざらざらとした音が不快に思える。

 

「お前、米粒ついてるよ」

 

兄はこのような人なのです。

好きな子をいじめる子のほうがよっぽど可愛く思えます。

兄は他人に興味がなく、冷酷であり、その中で何事もないかのように、普通であるかのように、生活できてしまうのです。

私が尊敬できる部分は、捨て猫を一切見ず通りすぎてしまうところでした。

今は、ウソが苦痛です。

 

2時間と10分ほど揺られ、楽しいはずの場所に着きました。そこからバスで18分ほど揺られ、田舎に着きました。

 

緑は喜んでいるようで、決して都会とは言えないここは、海も見える良いバス停でした。

コンクリートの横は崖。

地面はいつ水たまりができ始めるかどうかの緊張感が漂っており

後ろの崖を見上げると、おきまりの草が下水パイプから気取るそうに垂れ下がっていました。

 

「行くぞ」

 

兄は変わらぬ口調で歩みはじめました。

私はトボトボと後ろをついて行くことしかできず、また、兄の背中に懐かしさを感じた後、この景色にも懐かしさを感じました。

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