錆びた

novel By pega

ひとすい

一吸い

火と吸い

 

けむりが血中にじゅうまんし

くさきがゆれる様が

まるでもだえる赤血球で

 

毛細血管のナンバー1である

毛細血管が

 

2,4,8

順に

錆びていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大学の先輩からもらった種。

それをもらったまま置いていた

 

セロハンテープがキシキシとはずれていて

中を覗いた

 

 

上を覗くと豆電球がニヤニヤとしていて

「なんだよ」

 

 

 

 

 

今朝食べたホットケーキは

食パンだった

 

名付けてしまえばそうなるうんうん。

 

 

 

これはもうだめか。

鉢へ植えなおした。

 

 

 

 

 

 

手を叩くと音楽がなって

悲しいときざわざわとゆれてくれて

かわいくなってきた

 

 

 

 

 

大学の先輩とは連絡を取り合っていないが

これは一体なんなのだろうという気持ちは

ぷかぷかと渦をまいて空へ薄くとけていった。

 

 

 

今日は3度目の誕生日

久々に寂しかったけど

コンビニの店員さんが優しくしてくれたので

うれしくおもえた

 

 

あたまがキシキシと鳴っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

窓の外から明かりが見えた。

瓦屋根の下でおばあちゃんが一人さみしく暮らしている

おばあちゃんは強がりで

老人ホームには決して入らない

 

毎日その様子をみているけど

遠く離れた場所にいるのでなにもできないとき

おばあちゃんが倒れた

 

おばあちゃんがお家に帰ってこなくなって

またあたまが鳴りだして

 

瓦が一枚ずつ外れてくずれて

からだの端から錆びてきている

 

 

今日も一言も話さなかった

けどこれでいいと思っていた

だって話す理由がないから

 

植木に話かけるけど

決して話し返してくれはしない

だって話す理由がないから

 

 

 

 

 

 

もうこれ以上進展もない

明るいうちに家を出よう

そう思ってさいご

ココアシガレットに陽をつけた

 

まぶしくて

へんな顔になっていたのか豆電球がくしゃっとわらって

「なんだよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もうここにはかえって来ないだろう

荷物は置いていくけど

よくみたら植木も全部なにもなくて

錆びていた。

 

 

明るい日差しが口から入って血を紅くそめなおす

「なんだよ」

 

と笑いながら陽に陽ににやっと空へぷらぷらが

 


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