「またね」
「うん」
ぐつぐつと煮込まれたアスファルト
踏みつけられる靴底
あっけらかんとした雲
「またね」
「うん」
ここからどれぐらいの距離
飛行機か
コンビニまで泳いでいきますか
ええ。
素敵な音色は
身体を犯します
耳は入り口です
足元へ音符が流れ
左耳から抜けていく
そうなったら
カラダがオーディオになります
そうですよね
雲の顔に腹が立ってくる。
運動会で鼻血を出したことを思い出しました。
先生に膝枕をされ
暑さに項垂れていました。
クスクスと
私は笑っていまし
た
「ほら。」
なんかもうどうでもよくなる日がある
その涙の意味が分かりませんでした
こんなにも、充実していて
何も文句がなくて
いっときの感情で
その涙を缶詰にして
おばあちゃんになったら
開ければいい
「うん」
「またね」
「……」
思わず腕を掴みました。
けれど、誰もが仕方がないことと思って、流されるような事象なので
無理なんです。
私はそんなの、
クスクスと笑って
「またね」