すぐるだけが気づいた

novel By pegasasudon

すぐるは気づいた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それは、猫の交尾を見たとき
「ははっ、お盛んだね」
と言ったことが始まりであった

すぐるは自分から言わないせいで
誰も気にかけていないが
美術的な感性がある

それは、自分でもわかりかけてきた
しかし、それがなんだというのだ
それよりも青い青春を
と思う高校1年生の夏

猫の交尾を見たのだ

決してだからではない。
決してだからではないのだが。

すぐるは自慰に励んだ

ご飯を食べるように
歯を磨くように
自慰に励んだ

しかし、今日はなぜかおかしい

全ての動画が
猫と重なるのだ

「待てよ」
すぐるはハッとした

そもそも
女体を見て
興奮する
というプログラムが
プログラム以上にしか見えなくなった

「興奮する物なのか、ほんとうに。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すぐるは気づいた
人間であることを
すぐるは気づいた
コントロールされていることを
だれかにだれだ
それは歴史だ
待てよなにやってるんだ
あれもこれも
馬鹿みたいじゃないか
おいおいおいおい
なにやってるんだよ
まるで
馬鹿みたいじゃないか!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかしすぐるは人間を
やめることはできなかった。


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